酒販店・酒屋・卸業者をお探しなら業酒連ホームページで 業酒連とは

全国酒類業務用卸連合会(業酒連)は、日本国内に於いて、酒類の業務用卸を行う各地域の
代表的商社を以って構成された団体で、略して、業酒連と言います。
全国約200社の大手業務用酒販店で構成された組織です。
酒販店・酒屋・卸業者をお探しなら業酒連ホームページで 会長のご挨拶

2025年 新春明けましておめでとうございます。
昨年は、よりにもよって元旦に能登半島地震が発生し、大規模災害が惹起されました。
やっとコロナ禍から解放され、さあ今年からとの思いが潰える幕開けとなってしまいました。更には9月の集中豪雨による洪水被害も重なり、今以って回復の進まない被災地の方々には誠に申し訳なく思いますが、2024年度は私共酒類業界にとりましてはまずまずの年ではなかったでしょうか。
しかし、この一年を冷静に顧みますと、コロナ禍により見過ごされていた酒類需要の減退傾向が顕在化したのではないかと思います。
酒類需要にとって最も危惧すべき、消費人口の減少、消費層の老齢化による需要減少は元には戻らない段階に達したと思はざろう得ません。加えて2024年問題に端を発した物流費の上昇、人件費の上昇、その他諸経費の上昇そして人手不足、これ等の環境を乗り越えねばなりません。かと云って、その解決を目指して今までの如く、販売量増大は当然期待出来ません。販売単価を上昇させ利益の向上を図る以外に、この経営環境下での事業の存続は覚束ないのです。
この場で引用する言葉として妥当か否か迷いがあるのですが、1945年以降続いた酒類業界の拡大再生産基調は終わりを告げたと思います。しかし、この状況から抜け出す為の手法がない訳ではありません。酒類業、生産者も流通も限られたパイの争奪戦を通じて、市場からの退場者のシェアを奪うか、独自で海外市場へ活路を見出す手立てが考えられます。
前者は、疲弊を呼び込み、生き残った者が果たして勝利者になり得るか甚だ疑問です。
疲弊した業界には必ず他産業からの新しい勢力が台頭する可能性が高いからです。かと云って海外の進出により、我国の酒類消費減退を救済する力になるとは思えません。それは、酒類消費はその産地、その国に根ざしているからです。
即ち、現存する酒類業界が生き残る道は、自からの意思を以って縮少均衡に舵を切り経営の安定化を図り、次の時代環境の到来を待つことではないかと思います。酒類は財政物資であり酒類業は国家の施行する免許制度により規律が定められている事実を思えば当然の帰結だと思います。
その為には先ず、業界が一体となった秩序の確立は避けて通れません。そのリーダーシップは酒類免許制度の頂点に立ち、且つ事実上価格改訂権を執行している生産者が発揮すべきと思っております。
因って、業酒連は、酒類流通の先頭に立ち、生産者との意見交換を通して多岐に亘り酒類業界に内在している矛盾を正し、「生販四層一体となった秩序の確立」を目差した活動を推し進めなければならないのです。
本年も引き続き、何卒ご支援ご協力の程お願い致します。
本文を以って、年初めのご挨拶とさせて頂きます。
全国酒類業務用卸連合会 会長 榎本一二