酒販店・酒屋・卸業者をお探しなら業酒連ホームページで 業酒連とは

全国酒類業務用卸連合会20周年第21回全国大会

全国酒類業務用卸連合会(業酒連)は、日本国内に於いて、酒類の業務用卸を行う各地域の 代表的商社を以って構成された団体で、略して、業酒連と言います。
全国約200社の大手業務用酒販店で構成された組織です。


酒販店・酒屋・卸業者をお探しなら業酒連ホームページで 会長のご挨拶

会長

 業界各位に於かれましては、常日頃業酒連活動にご理解ご支援を賜っております事心より感謝申し上げます。
 今年こそは回復基調に戻るとの思いを以って迎えた昨年もその期待は物の見事に裏切られ忌まわしい二年間となってしまいました。如何なる環境下にあっても時は確実に刻まれ茲に新年を迎える事になりました。絶望は死に至る病との言葉があります、再び今年こそはとの希望を以って再出発のスタートを切らねばなりません。
 若干飛躍気味ですが、コロナ禍悪い事ばかりではありません、思い付く事だけでも二つあります、一つは、我国の全産業の中で最も甚大な被害を蒙った酒類業務用卸業界ですが、その被害を各社各員等しく分けあった事により一体感を感じる事が出来たのではないでしょうか、終戦直後の地域社会に最も一体感があった事を思い起こさせます。この感性は必ず再出発に役に立つと思っております。
 二つ目は、酒の商品特性が再確認されたことです、酒は飲食業に必要不可欠な物品であり、且つ国民の精神安寧に大きな役割を担っている事が理解されました。酒は食品の一部ではないのです。その在り方は税制面を含めて国家マターであり、アルコール産業にまでウィングを拡げれば安全保障にも関わる物品との認識が必要であることも判りました。斯くの如く再認識された酒類を取り扱っている私共は誇りを以って今度こそ再出発しなければならないのですが、この二年間で背負わされた負の荷物は余りにも重いと云わざるを得ません。
 累積した欠損、そして、他より導入した資金の償却は簡単ではありません、赤字は本年から数えて2~3年以内に消さねばなりません、導入した資金は約定通りかそれ以内に元に返却しなければなりません。他にも、経費増に関わる諸事項の解決は喫緊の課題として待ったなしで手を付けなければなりません。猶予なく迫ってくるこれら経営諸課題の解決策はその間に得られるであろう収益を以って実行される以外道は無い事は自明の理です。
 しかし、その前提条件として誰しも思っている2019年度以前の状態に果して戻れるのでしょうか、甚だ疑問だと思います。
 2年間に亘り変事が続きその収束後それ以前に戻った事例は過去にありません。その事により惹起され、人間の行動、考え方、組織運営の在り方は変容し変質する事は歴史が証明しております。
 例えば、テレワーク等によるIT技術を使った働き方の変容と考え方の変質は重大です、集合から分散へ、横の連絡を避け垂直につながった組織は時間の無駄を省き生活の仕方は合理的になりますが、かつて組織の結束に役立つと思われていた横連絡は余り意味を持たなくなり、個の確立が顕著となります。当然集団の為に必要であった空間もいらなくなります。歴史的大変革です。
 飲食需要は変容し、当然、今まで通りとはならないでしょう、飲食業各コンセプトの在り方の変化は免れません。
 更に直接的な困難が待ち受けております。人件費に始まって経費の増大による経営の圧迫です、労務環境も政府の意思も相俟って益々シビアになります。
 コロナが収まれば元に戻れる願望は余りにも楽天的と思うべきです。多くの識者が「変化に対応した者が生き残る」と喝破しておりましたがいよいよその真骨頂を示す時が現実のものとなったのです。
 変化対応出来たとしても、収益確保に欠かせない経済合理性に基づいた経営をする理念が果して酒類業界(流通だけではない)にあるのでしょうか。
 これまでの「比較安売り」を唯一の手段として繰り広げられた競争を思うと悲観的にならざるを得ません。
2003年9月小売酒販免許の需給調整要件が廃止され65年続いた免許による秩序は終わりを告げました。その後2017年公正取引基準が施行されるまでの14年間の混乱期は小売酒販業態存続の危機であった事を考えればその間の「比較安売り」止むなしと思いますが、公正取引基準施行によりその秩序を取り戻す事が可能であり業態維持も又可能と考えておりました、豈図らんや施行後3年を待たずして、あれこれ理屈を付けて基準破りが横行し始めた事を目の当たりにして、小売酒販ビジネスモデルは終わりを告げる時が来たと思いました。当然この流れは早晩全ての酒類販売業に及ぶとも思いました。
 将にそんな時コロナ禍が発生、そして時以外の全てが、止まりました。こう考えるとコロナ禍は、この二年で終わりを告げればの前提条件付きですが、私共に考える時間を与えたと思えないではありません。
 比較安売りは必ずブーメランになって自己に戻ってきます。二年間も考えたのですから、ここで冷静になり、基準に則った合理性のある価格提示を以って経営をする業界になってもらいたいと思います。
 折も折り、2022年6月には、第二次公正取引基準が施行されると聞いております。まさに恩寵とはこの事です。この機を逃す事なく、基準に則った合理性のある価格提示を以って、酒類業界全体でコロナ禍による負を二年以内に一掃して、業界発展に努力する事が肝要です。
 酒は国民生活の安寧の為にも国家財政の安定と国家経営の為にも重要物資である事が今回認識されました。業界の安定経営はそれに資するとの信念を以って経営をしなければなりません。
 そして最後に忘れてはならないのは、経営の安定はそこに従事する社員の生活向上につながり国家安定の基盤に寄与する事になるのです。
 本年が酒類業界にとって良き年となり、再出発のスタートの年になる事を祈念致したいと存じます。


全国酒類業務用卸連合会 会長 榎本一二