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全国酒類業務用卸連合会20周年第21回全国大会

全国酒類業務用卸連合会(業酒連)は、日本国内に於いて、酒類の業務用卸を行う各地域の 代表的商社を以って構成された団体で、略して、業酒連と言います。
全国約200社の大手業務用酒販店で構成された組織です。


酒販店・酒屋・卸業者をお探しなら業酒連ホームページで 会長のご挨拶

会長

 令和5年の新春明けましておめでとうございます。このご挨拶久し振りにわだかまり無く申し上げる事が出来ました。

 しかし乍ら此の所の感染状況に少々不安を感じておりますし、この3年間で積み上げた欠損の額の大きさにも溜め息をついております。

 でもありがたい事に、収益環境の改善により先き行きに光明が見えて来たと思っております。此の度のビール製品価格改定に際し、その改定巾を私共が自からの意思を以って、一丸となって決着を付ける事が出来ましたのは、かつて無かった事であり賞讃に価すると思います。

 かてて加えて、業酒連が長年に亘り、提唱してきた利益配分の妥当性に関する考察が論拠となり、当会のリーダーシップによる改定巾交渉が推進されたことは、この数年公正取引基準啓蒙に果した当会活動と共に評価され得るものと確信しております。


 ただ、この状況が維持されるかどうかには大きな不安があります。多分2,3ヶ月後に、〇〇社が或いは、△△社が、安い見積価格を出して困っているとの話題が出てくるのではと思っております。要は自分は守っているのに安く売る人がいる、との従来からあった市場価格低下他責論です。果してこの考え方は正しいのでしょうか、否です、今までは兎も角今回に限りこの訴えは間違っていると思います。

 コロナ禍により、消費者の行動様式は変容しました、料飲市場は全体的には停滞しております、合せてビール離れが一過性では無く顕著になってきました、加えて、中小料飲店様は、ビールコストアップ分の転嫁を躊躇しております、周囲同業他店との競合による不安からです。更らには、廃業店が増える傾向にあり、そこには新店が出来ます。因ってこれからは新店との取引交渉、帖合替えの話しが増えてきます、この環境は酒販店への価格引き下げ要請が強くなる素地になります。折角築いた市場が安値圧力と競合に晒らされる事になるのです。

 料飲店様からの価格引き下げ要請が昨年10月以前の私共手法と同じく価格巾だけの表明であればその判断基準は単純です、イエスかノーです。それが、価格そのものの表明であったらどうでしょうか、瞬間の判断に迷うと思います、その理由はこうです、今回のメーカー上げ巾が大きかった事もあり、今までにない上げ巾になりました。

 おそらく、多くの方々の頭の中には、改定以前の価格相場が染付いています、その基準に照らすと提示された価格は、思ったより高い価格に見えます、これは営業担当者も同じです、そこでまあこの位いならいいだろうと悪気なく値下要請を承諾してしまう恐れが大いにあるのです。


 如何なる強固な堤防でも蟻の一穴から崩れてしまいます、この危険性は、全ての酒類業務用業者に共通しております、と云う事は、自分は安売りの加害者では無いと思っている方は、間違いなのです。

 一日も早く同業各社全ての方々に、昨年10月以降の新価格体制下に於ける相場勘に切り替えてもらい度いのです。

 今後、酒類の生産者価格改定は、短いタームで繰り返される事が予測されます。

 まさに、この程度ならとの勘違いが、ブーメランとなって更らにスピードを増して己に帰ってくるのです。安売りは決して他責ではないのです、自責であるとの認識が必要です。


 市場軟化の究極の解決には、業酒連が長年に亘って提唱してきたオープン価格から三層価格への転換が最も有力だと思っております。

 本年も酒類業界唯一の政策団体として邁進しなければなりません。

 本年がその為の良き歳になります事を祈念して止みません。


全国酒類業務用卸連合会 会長 榎本一二